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ストーリーの中でも語られているように、FXで成果が出なかった時期、
私は「トレード記録をしっかり残せば改善できる」と信じていました。
実際、通貨ペア・日時・売買方向・獲得 pips・ロット数などを残し、
エントリー前後のチャート画像もすべて保存していました。
けれど、どれだけ丁寧に記録を続けてもトレードは変わりません。
負けるたびに行き着くのは
「ルールを守れなかった」
「やっぱりメンタルが弱いんだ」
という同じ結論ばかりです。
本来、記録は原因を特定し、改善策を考えるための材料になるべきです。
しかし当時の私は“記録をつけている”という行動だけで満足し、
そこから一歩先に進めていませんでした。
今振り返って言えるのは、
「記録は、つけること自体が目的になった瞬間に意味を失う」
ということです。
👉 この経験については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

記録を機能させるには「集約」と「分析」の習慣が必要です
トレード記録を意味あるものにするためには、次の二つの視点が欠かせません。
集約:複数トレードをまとめて振り返る
記録を「点」ではなく「面」で見る──これが集約の本質です。
たとえば直近30トレードを 勝ち / 負け に仕分けし、
- 時間帯
- 通貨ペア
- チャート形状
といった軸ごとに並べるだけで
「夕方は負けが集中」
「ポンド円だけ極端に勝率低い」
といった “偏り” が一目で浮かび上がります。
集約のコツは 最小限の切り口を決めて 一覧化すること。
切り口が多すぎると逆に埋もれるので、
まずは 勝敗 × 時間帯 × 通貨ペア のような3軸くらいから試してみると効果的です。
分析:共通点・傾向をデータで可視化
集約したデータを “数字” と “画像” の両面で眺めると、改善ポイントが具体的になります。
例として――
勝率グラフ:時間帯別に棒グラフを作ると「20–23時だけ勝率20%」など弱点が即判明。
チャートスクショの並べ比べ:負けトレードをサムネイルで並べると「揉み合いブレイク狙いばかり失敗」といった 形の共通点 が見える。
分析の目的は “気合いで反省” を卒業し、数字と事実から改善策を決めること。
たとえば「夕方のトレードを控える」「揉み合いパターンはエントリーしない」のように 行動ルールへ落とし込む と、記録が初めて勝ちに直結します。
どれだけ丁寧に一つひとつ記録しても、横並びで比較・集計しなければ記録はただの自己満足に終わります。
記録の価値は振り返りを前提にして初めて生まれるものです。気づきや改善のヒントが得られなければ、時間をかける意味は薄れてしまいます。
私が実際に行っていた記録と、その限界
当時の私は次の項目を毎回記録していました。
- 通貨ペア
- 日時
- 売り/買い
- 勝敗
- 獲得pips
- ロット数
- エントリー前チャート画像
- エントリー後チャート画像
これらを Excel にまとめ、日付ごとに整理。エントリー根拠や反省点も添えて「振り返っているつもり」でした。
📷 私が残していたトレード記録の一例
当時の私は、通貨ペアやpipsだけでなく、
チャートのスクリーンショットやエントリー根拠、反省点まで細かく記録していました。
下の画像はその一例です。
ルールやチェック項目も明確にしながら毎回記録していたにもかかわらず、
「まとめて振り返る」「分析する」という習慣がなかったため、記録を活かすことができませんでした。



しかし、まとまった単位で見返すことはほとんど無し。
記録はしても、それを材料に分析する段階へ進めていなかったのです。
負けたときの反省は決まってこうでした。
「ルールを守れなかった。やっぱりメンタルの問題かもしれない」
具体的な改善策を考える代わりに、“気合い”や“意識”といった曖昧な言葉へ逃げてしまっていました。
👉 こうしたメンタル頼りの反省については、この記事でも語っています。



記録を活かすには、「分析視点」が不可欠でした
今思えば、当時の私は「記録=振り返り」だと誤解していました。
実際にやっていたのは“反省”の繰り返しであって、分析ではなかったのです。
👉 実際に記録を分析して“勝てる形”を探った体験については、
過去検証で『勝てる形』を探した時の話(手動MT4編)をご覧ください。
たとえば──
- 勝ちトレードと負けトレードを並べて共通点・相違点を比較する
- 時間帯・通貨ペア・チャート形状ごとに勝率を集計する
といった横断的な視点を持っていれば、もっと早く課題に気づけたはずです。
記録の目的は「一回一回反省すること」ではなく、パターンを見つけ行動を変えること。
その視点が抜けていた私は、6年かけても記録から答えを引き出せませんでした。
記録は“行動を変えるための素材”です
書籍やWebでは「記録が大事」と繰り返し語られますが、記録が目的化すると逆効果になることもあります。
では、記録をどう使えばよかったのか?
答えは、トレードの質を変えるための“素材”にすることです。
具体例:
- 勝ちトレードに共通する時間帯・形・環境を洗い出す
- 負けトレードに毎回現れるミスのパターンを抜き出す
- 1週間の記録から「来週変えるべき点」を1〜2項目だけ決める
こうして記録をデータとして扱う意識を持てば、記録は“作業”から“行動を変えるきっかけ”へと役割を変えます。
まとめ:記録をつけるだけでは、変わらなかった
この記事では、過去の自分の記録方法と、後になって気づいた「本当の使い方」を整理しました。要点は三つです。
- 記録は 振り返りと分析をセット で行って効果が出る
- 単に書くだけでは、同じ反省を繰り返すだけで終わる
- 記録は 次にどう行動を変えるかを決める素材 として活用する
もし当時この視点を知っていれば──もっと早く本質的な改善に近づけていたはずです。
この記事が、これから記録を始める方や「記録しているのに意味がない」と感じている方のヒントになれば幸いです。
記録だけでは限界? 次は「環境(口座)」も見直してみませんか?
どれだけ記録を工夫しても結果が出なかった時期、
今思えば「自分に合っていない口座環境」にも原因がありました。
以下の記事では、これから再挑戦する人向けに「口座選びの軸」を整理しています。
👉 自分に合った口座を見つけたい方は、こちらをご覧ください。



🔗 国内FX口座の選び方──経験者が語る「比較ではなく“選定軸”の重要性」
✅ 次回は、記録から見えてきた課題をもとに始めた「検証」について。そこで新たにぶつかった“つまずき”と、その乗り越え方をお話しします。
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