「FX商材で最後の勝負」──それでも勝てなかった僕が“やめること”を考えた日

商材に最後の望みをかけ、孤独に努力を続ける男性の姿(図書館の静かな光景)

何をやっても勝てなかった。
手法を信じきれず、検証ツールに頼っても結果は出ない。
そうして僕は、「他人の手法に賭ける」という、
それまで避けてきた選択肢に手を伸ばした。
商材なんて…とどこかで思っていた自分が、
それを最後の希望にするなんて、数年前は想像もしなかった。
でも、もう他にできることは何もなかった。

今回は、その商材を実際に手に入れてからの話。
どんな内容だったのか? 本当に使えるのか?
僕がどんな思いで取り組み、どこで違和感を覚え、
どうして“やめる”という考えにたどり着いたのか──。

FXの“終わり”を意識し始めた瞬間を、ご覧ください。

※前回のお話はこちら|FX検証ツールを使っても勝てない?

目次

独学でも、ツールでもダメだった僕が“禁じ手”に手を出した日


検証しても、信じられる手法は作れなかった

フォレックステスターを使って、僕は「信じられる手法」を作ろうとした。
環境は整っていたし、実践的な操作もできる。
これなら自分の手で検証をやり切れるかもしれない──そう思っていた。

けれど、結局そこで僕が感じたのは、またもや「確信のなさ」だった。
同じルールでエントリーしているつもりなのに、なぜか毎回結果が違う。
条件が揃っていても勝てるときもあれば、まったく同じようにやっても連敗することもある。
そんな曖昧さの中で、またしても「手法を信じきれない」という感覚が戻ってきた。

検証しても自信が持てない──。
これじゃあ、検証する意味さえ分からなくなる。


手法を作るには時間も知識も足りなかった──“独学の限界”を感じた瞬間

パソコン前で悩み込むスーツ姿の男性。最後の手段として商材に希望をかける瞬間

巷ではよく言われている。
「トレードで勝ちたければ、自分の手法を確立しなければいけない」と。
確かにそれは正しいと思う。
でも、実際にやってみると、現実はあまりに厳しかった。

仕事をしながら、限られた時間の中でルールを一から考え、
検証を重ね、改善していく。
その繰り返しには、膨大な時間と根気が必要だった。
しかも、「この方向で合っているのか」という確信もないまま進めることになる。
それはまるで、出口のないトンネルを進んでいるような気分だった。

「もう独学では無理かもしれない」と思い始めていた。


“商材”に対する抵抗を越えて、最後の希望に賭けた

そんなとき、ずっと敬遠してきた存在が頭をよぎった。
“商材”──誰かがまとめた完成済みの手法や知識を詰め込んだ教材。
FX界隈では有名だったし、過去に何度も名前を見かけたことがある。
だけどそれまでは、
「商材なんて買わなくても勝てるようになる」
と言われていたのを信じてきた。

もちろん、不安はあった。
「詐欺かもしれない」
「結局中身は薄いかもしれない」
そんな疑いが完全になくなったわけじゃない。
でも、それ以上に大きかったのは、「もうこれしか残っていない」という気持ちだった。

検証でも、独学でも、6年やってもダメだった。
だったら、少しでも可能性があるなら、試してみるしかない。
敬遠していた“禁じ手”に、最後の望みを託すしかなかった。

※ここに至るまでの経緯は前回の記事にまとめています。

半年以上かけて取り組んだ商材。それでも、結果は出なかった


PC画面に向かってタイピングしながら検証を続ける男性の手元(記録と練習の様子)

膨大な情報量に心が折れそうになった──商材の“第一印象”で感じた不安

商材を手に入れて、最初に思ったのは「量が多すぎる」だった。
ページ数も多いし、図もたくさん使われていて、読み応えはある。
でも、それだけに「これ、本当に全部理解して吸収できるのかな…」と不安になった。

だけど他にできることはもう残っていない。
時間がかかってもいい。少しずつでも、前に進めばいい。
そう思って、焦らず腰を据えて取り組むことにした。


エントリーのトリガーが曖昧すぎて、迷い続けた

僕がやっていたのは、過去チャートを使ったパターン検出の練習だった。
教材の中で示されていた“ある条件”に合う場面を、1枚1枚探していく。
該当する場面をスクショして、キャプチャを分類していく。
この作業によって、「この手法がどんな場面で機能するのか」を少しずつ掴んでいく。

最初は、環境認識レベルの再現はできていた。
けれど、問題は“トリガー”だった。
つまり、実際にどこでエントリーするかという肝心な部分が、
教材ではほとんど語られていなかった。

デイトレードのような短期トレードでは、エントリーの数pipsの違いが結果に大きく影響する
環境認識は日足でもごまかしが効くけど、エントリーの瞬間は1分1秒が勝敗を分ける。
その部分の解説がなかったことが、僕をずっと不安にさせていた。


利益が積み上がった直後、全てを吐き出す──それを何度も繰り返した

それでも、練習は続けていた。
成績表をつけて、自分の勝率や損益の推移を数字で把握していった。
たまにうまくいくときもあった。
小さな利益が積み上がっていくと、「いけるかもしれない」と希望が芽生えた。

でも、その後にはいつも“連敗”がやってきた。

10連敗、15連敗、時には20連敗。
そうなると、それまで積み上げた利益は一気に吹き飛ぶ。
すべてがゼロ、いやマイナスになる。
その瞬間、頭が真っ白になり、全身から冷や汗が出てくる。
抜け殻のような感覚になる。普通の生活をしていたら絶対に味わうことのない、“自分の全てが否定された”ような感覚。

この感覚を何度も、何度も繰り返してきた。
気づけば、半年以上が経っていた。


「これ以上やっても、何も変わらないかもしれない」と思い始めた

あの商材は、最初に見たときはボリュームがあって希望を感じた。
でも使い込むほどに、その“厚み”の正体が見えてくる。

3分の1は初心者向けの基礎知識。
もう3分の1はメンタル面の話。
そして残った3分の1が手法の説明だった。
だけど、その手法説明も、一番知りたいところ──具体的なエントリーパターン──は、1パターンしか紹介されていなかった。

「それだけ?」「他のケースは?」と何度も読み返したけれど、答えはどこにもなかった。
そのとき、はじめて心の中に小さな声が浮かんだ。

「これ、もしかして薄いんじゃないか?」

そしてもう一つの声が、同時に聞こえた。

「このまま続けても、また同じ結果になるだけなんじゃないか?」

この商材でダメなら、もう終わりにしようと思っていた

黒背景の中に開かれたノートとPCが置かれた静かなデスク(違和感と疑念の気配)

内容を見返したとき、違和感が確信に変わった

何度も読み返していくうちに、最初は気づかなかった違和感が、だんだん確信に変わっていった。
「ここまで練習してもできるようにならないのは、自分の努力が足りないからじゃない。そもそも、この商材が“足りていない”んじゃないか」──そんな思いがふと湧いてきた。

特に感じたのは、エントリーポイントの曖昧さだ。
教材には、それらしき図や例はあったけれど、紹介されているのはたった1パターンだけだった。
それが通用する場面ならまだいい。けれど、デイトレードでは“あと数pipsずれた”だけで結果が真逆になることもある。
環境認識はざっくりしていても何とかなる。でも、エントリーは違う。
そこが曖昧なら、手法としては成立しない。

僕は、この商材を「勝てる人が本気で作ったもの」だと信じていた。
でも、だんだんそうは思えなくなってきた。


「すべてをやり切った」──そう思えるほど、心はすり減っていた

それでも、もう一度頑張ろうと何度も思った。
「まだ読み込みが足りないのかも」
「もっと検証すれば、エントリーの感覚が見えてくるかもしれない」
そうやって、希望をつなげながら、毎日画面に向かっていた。

だけど──あるときまた、同じ流れが起きた。

小さく利益が積み上がり、「ようやく手応えが出てきたかもしれない」と思った矢先に、10連敗、15連敗と続いて、すべてを吐き出してしまった。

その瞬間、全身から冷や汗が出て、椅子に深く沈み込んだ。
パソコンの画面がぼやけて見えた。
抜け殻のようになって、「ああ、またこれか…」とつぶやいた。

これを、もう何度も繰り返してきた。
この6年間、定期的に味わってきたこの感覚──
「すべてが終わった」という感覚を、また味わっていた。


やめるという選択が、いつの間にか心に芽生えていた

井戸の底から光を見上げるような視点。FXの終わりと、わずかな希望を暗示

この商材を買ったとき、僕はどこかで「これでダメならやめよう」と思っていた。
あの時の自分は、まだ希望を持っていた。まだ信じていた。
でも今は、その希望さえも持ち続けられなくなっていた。

やめる。
そうはっきりと口に出したわけじゃない。
でも、もう自分の中では答えが出ていた気がする。

終わらせることは、逃げではない。
むしろ「もう十分やった」と、自分に言ってあげたかった。

次のステップに進む時期が、きっと来ていた。
それを、ようやく自分で認められるようになってきた──そんな心の静けさが、そこにはあった。

※この続きは次回|僕がFXをやめると決めた理由で詳しくお話しします。

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