FXで勝てないのは検証不足だと思ってた。でも、やっても迷いは消えなかった

「FXで勝てるようになりたいなら、まずはメンタルを鍛えろ」
そんな言葉を信じて、僕は徹底的にトレード環境を整えた。
瞑想、ルーティン、ポジティブな思考…できることはすべてやった。
でも、それでもトレードルールを守れなかった。

「やっぱり自分の意思が弱いから?」
そう悩み続けた末に、ようやくたどり着いた答えがあった。

それは──そもそも自分が使っている“手法を信じきれていなかった”ということ。

どんなに優れた手法でも、自信がなければ迷いが生まれる。
そしてその迷いが、ルール違反や感情トレードにつながっていた。

だったら、やるべきことはひとつだけ。
「この手法は勝てる」と自分自身が納得できるまで、過去チャートを使って検証すること。

ここから始まったのが、僕の“過去チャート検証”という長い旅だった。
FXで勝てない原因がわからず悩んでいる人に、この記事が何かのヒントになれば嬉しい。

前回(第5話:FXで勝てないのはメンタルのせい?──僕がルールを守れなかった本当の理由)では、ルールを守れない原因を“メンタル”に求め、自分の感情との向き合い方に悩んでいた頃の話を綴りました。


目次

FXでルールを守れない本当の原因は“メンタル”ではなかった

メンタルを整えてもルールを守れない理由とは?

「勝てないのは、メンタルが弱いからだ」
そう思っていた時期がある。
連敗が続けば焦ってルールを破り、ポジポジ病に陥る。
反省してはまた繰り返し、負けるたびに自分を責め続けた。

それを改善するために、僕はあらゆるメンタル対策を試した。
瞑想、朝のルーティン、ポジティブな自己暗示、SNS断ち…。
できることは全部やったと思う。

確かに、一時的には安定したこともあった。
でも、トレードに戻るとまた崩れる。
連勝の後に連敗が来ると、一気に感情がブレて、
「ルールを守れなかった」という結果だけがまた積み上がっていく。


FXで「自分の意志が弱い」と思い込んでいた過去

「やっぱり俺は、意志が弱いんだ」
当時の僕はそう思い込んでいた。

でも、何度も同じような失敗を繰り返す中で、
あるときふと、別の考えが浮かんだ。

──もしかして、そもそも手法を信じてないんじゃないか?

トレード中に少しでも負けが続くと、
「この手法、本当に大丈夫なのか?」と疑ってしまう。
そうなるとエントリーも躊躇し、感情が揺れ、ルールはあっさり崩れてしまう。

意思が弱いんじゃなくて、自信のないまま戦っていただけだった。


手法を信じきれないと勝てない──僕の気づき

「勝てる」と確信を持てない手法で、ルールを守り続けるのは無理だ。
どんなに冷静さを保とうとしても、手法そのものに不信があれば迷いは生まれる。
そしてその迷いは、やがて感情トレードにつながってしまう。

だから僕は思った。

「ルールを守れるようになるためには、まずは手法を信じられるようにならないといけない
そのために必要なのが──“検証”だった。


FX手法の信頼を得るために始めた“過去チャート検証”

FXの過去チャートを検証しながらメモを取る作業中の男性の手元

MT4で行った過去チャート検証のリアルなプロセス

僕が最初に始めたのは、MT4を使った過去チャートの手動検証だった。

ひとつの手法を決めたら、その形がどこにあるかを過去チャートから探していく。
ひたすらスクロールして、気になる場面に線を引いたり、根拠を書き込んだり。
MT4はそのままだと描画ができないから、専用のインジケーターも導入した。

やっていたことは、ざっくりこんな感じだった。

  • チャートから該当するパターンを探す
  • 書き込みができる状態にして根拠などをメモ
  • その場面をスクショして画像管理ツールに保存
  • 類似のパターンごとにフォルダで分類
  • たまってきたら見返して、共通点やクセを探す

作業は地道で、正直しんどいときもあったけど、
「これを積み重ねれば、手法への理解が深まるはず」
そんな思いで毎日少しずつ続けていた。


パターンは覚えたのに勝てない…地道な検証の限界

過去チャートをたくさん見ていると、だんだんと目が慣れてくる。
「この形、前も見たな」とか、「この動きのあとに伸びることが多いな」とか。
ほんのわずかな違いに気づけるようになってきたとき、少しだけ自信が芽生えた。

でもその一方で、心のどこかにずっと引っかかっていたものもある。

──これって、本当にリアルで役に立つんだろうか?

リアルタイムの相場では、チャートは動いているし、先は見えない。
どこがエントリーポイントで、どこで出ればいいのかなんて、
止まったチャートをいくら眺めていても、答えは出てこない。

「過去の形は覚えた。でも、それを“今この場面”でどう使うのかがわからない」
そんなモヤモヤが、少しずつ心を覆いはじめていた。


「この努力が報われるはず」と信じていた頃の僕

それでも当時の僕は、あの地道な作業が間違っているとは思っていなかった。
むしろ、「これが本物の努力なんじゃないか」とさえ思っていた。
手を動かして、自分の目で確認して、感覚を養う。
数字にできない“感覚の積み上げ”こそが、自信につながると思っていた。

でも、いつしかその自信は、
「それって本当に“勝てる実力”につながっているのか?」という
不安に押しつぶされそうになっていた。


手動検証では限界を感じ、検証ツールにすべてを託した

止まったチャートでは“実力”はつかないと感じた理由

止まったチャートを見て「ここで入る」と言うのは簡単だ。
でも、リアルな相場はどんどん動いていくし、未来は見えない。

検証中には明確に見えていた形が、リアルタイムだとすぐにはわからない。
躊躇しているうちにタイミングを逃したり、
判断がつかずに見送ったり、あるいは焦って飛び乗ってしまったり。

「パターンは覚えたのに、実戦ではなぜか使えない」
そんな違和感が、だんだんと大きくなっていった。

このまま“止まったチャートの勉強”をいくら続けても、
自分がトレードで勝てるようになる気がしなかった。


最後の希望だったフォレックステスターの導入

誰もいない作業机に置かれたノートPC。検証作業に行き詰まった空気感を表現した構図

もっとリアルに近い形で練習しなければ、この違和感は拭えない。
そう強く思うようになった頃、頭に浮かんだのがフォレックステスターというツールだった。

名前は以前から聞いたことがあった。
過去チャートを自分の手で動かしながら、リアルのようにエントリーや決済の操作ができる。
しかも、勝率や損益、PF(プロフィットファクター)といったデータも自動で計算されるという。

「これがあれば、リアルと同じような判断練習ができるかもしれない」
「そして、数字という裏付けも一緒に得られる。そうなれば、手法を信じられるかもしれない」

高価なツールではあったけど、迷いはなかった。
もうここまで来たら、やれることは全部やってみるしかない。
これで結果が出なければ、諦めもつくかもしれない。

そんな心境だった。
希望というより、少しだけ覚悟に近いものがあった気がする。


信じるために始めた“検証”。でも、自信にはつながらなかった

手法を信じられなければ、ルールは守れない。
そう思った僕は、「検証さえすれば自信が持てる」と信じて過去チャートに向き合った。

パターンを集めて、似た動きを見つけて、少しずつ“目”は育っていった。
だけどリアルな相場に戻ると、やっぱり迷ってしまう。
どこで入ればいいのか、どこで出ればいいのか──結局、自信は持てなかった。

「手動検証ではもう限界だ」
そう感じた僕は、最後の希望としてフォレックステスターを導入することを決めた。


次回|検証ツールでも消せなかった“迷い”の正体

「これでようやく手法を信じられるかもしれない」
そう思って始めた検証ツールだったけど、現実は甘くなかった。

手法を試しながら、またしても迷いに飲み込まれていく僕。
リアルに近いはずのツールを使っても、変わらなかったものがあった。

次回は、検証ツールで僕が直面した“新たな壁”についてお話しします。

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